トルマリン

だけど忘れないでいて 『君の笑顔に逢える』 それだけで生きていける

「いまを生きる」 

舞台  いまを生きる

 

 

佐藤 隆太
ジョン・キーティング役

 

佐藤 新(IMPACTors/ジャニーズJr.)

トッド・アンダーソン役

 

瀬戸 利樹
ニール・ペリー役

 

影山 拓也(IMPACTors/ジャニーズJr.)
ノックス・オーバーストリート役

 

基 俊介(IMPACTors/ジャニーズJr.)
ティーヴン・ミークス役

 

三宅 亮輔
チャールズ・ダルトン

 

市川 理矩
リチャード・キャメロン役

 

小向 なる
クリス役


飯田 基祐
ペリー氏役

 

佐戸井 けん太
ポール・ノーラン役


演出/上演台本 上田 一豪

美術 伊藤 雅子

照明 中川 隆一

音響 高橋 秀雄

衣裳 十川 ヒロコ

ヘアメイク 宮内 宏明

音楽 江草 啓太

演出助手 石川 和音

舞台監督 榎 太郎

 


サンケイホールブリーゼ

2021.2.12  ソワレ

 

 

 


サンケイホールブリーゼは2年ぶり?でした。

あそこの雰囲気すきなんですよね。ビル中なので時間も調整しやすいし、白を基調としたデザインで清潔感溢れる。劇場も広すぎず、狭すぎず。音の響き方が好きだ。ただ今回はコロナウイルスの感染予防対策で幕間が無しで2時間ちょいぶっ通し、さすがに体が固まりました。

 

 


舞台美術は何本かの柱と奥に森。上手下手に本棚や舞台中に使用する机や椅子が置いてあり、役者さんがそこで待機する姿も見られる。というか待機中ですら演じているのが見られるのが新鮮でした。道具の入れ替えも本人達が行っていて驚き。2018も同じなのかな?

柱が動くことによって学校や洞窟、寮の部屋に見立てられシンプルな作りだけれども引き込まれる仕組みになっていました。

 

 

 

あと好きだと思ったのは生演奏。

当日鑑賞するまで内容や出演者さんさえチェックせず行ったのを後悔。ピアノとチェロか奏でるメロディは私の心をぎゅっと掴むものでした。言葉と音楽と心はリンクしていると改めて実感。好きやったなあ。

 

 

 

照明が暗転することがほとんどなく、私の記憶によると、一箇所、だと思われる。

なので大道具が動いていたり、役者さんが机や椅子を運んだり丸めてポイした教科書を拾う姿も見られる。基くんが残っていた紙をさらっと拾ってポケットに仕舞うところは思わず「デキジュやわ〜」とオタク心が暴れまわりました。

 

 

 

 

そして演じる方達。

佐藤隆太さんはじめ、生で演じられる姿を見るのは全員初めてでした。IMPACTorsの3人に関しては踊ってるのは見てるけど、外部は初めて。

 

 


瀬戸利樹さん、25歳と知り驚き。もってぃーより年上か、、。という素直な感想。と思ったら三宅さんも25歳、市川さん22歳。新が最年少。推しグループぬきにして、新、めちゃめちゃに良かったのではないかと思う。ちなみ現役高校生は居ないどころか平均年齢20オーバーなんですね、(笑)制服、みなさん似合っておられました。

 

 

 

少しずつ内容に触れていこうかと。

 

 


まず原作に触れたこともない私。

直球にいうと、とても好きな作風でした。少し哲学的ではあると思うけれど、世の中で生きづらさを感じている人が増えてきている今、自分が何を大切にしたいのか、大切にしなければならないのか考えさせられるものでした。

 

 

 

このブログにも何度か書いているけれど、私は言葉が好きです。私は言葉を大切にしようと思うし、人は誰だって言葉を大切にしたほうがいい、と思っています。

そんなことを改めて考えることができました。

 

 

 

ノックス・オーバーストリート


ドストレートで6人の中では圧倒的THE高校生。

恋や愛という人の中でキラキラしているところとドロドロしているところを魅せてくれたキャラクターでした。めちゃめちゃに素直だから「顔隠してた!」のところなんかノックス以外は全員(客席も含め笑)『やっちまってんな〜』って思ったはずです(笑)

 


だけどそれだけ真っ直ぐにクリスのことを好きという思いは素敵だなあとも思いました。ツイッタラーランドを揺るがせてた影山くんの愛のセリフも実際に見られてにこにこ。私の席からはノックスの顔しか見られない位置でしたが、ぜひクリス側も見てみたかったなあ。

 

 

 

ティーヴン・ミークス

眼鏡がお似合いの小柄なにこにこしているかた。

物語のなかでミークスが唯一、キーティング先生が来る前と来た後、大きな行動を起こしていない、と私は感じました。心が動く瞬間を感じた、自分の気持ちを表現するところも見た。でもミークスっていう軸はあまりぶれずに世界を広げていたんじゃないかなあって。すごく難しい役どころだったんじゃないかなあ。もってぃーの素直さとか、感性の部分を感じられました。

 

 

 

今回ステージを本人たちが動かし、上下手で待機している姿が見られる、と最初に書きましたが、その時のもってぃーの演技力というものにトキメキました。

コロコロ表情が変わりまるでそこが舞台の中心のようで、思わずストーリーを追いかけずもってぃーばかり見そうになったり。

 


複数回見られるときはそこも楽しみの一つになるかも。

 

 

 

チャールズ・ダルトン  チャーリー  ヌワンダ


こんなことを一番にいうのもどうかと思いますが、かっこいい、、!!長身で脚なげえ、、腰パンなのに脚なげえよ、、と何度も思いました(笑)あとズボンをずらしてベルトで叩かれるシーン。あぁ、時代を感じるし、でも現実でもありうるなあ、と思いながら、やっぱり脚なげえ、と、反省。邪な感情が入り乱れました。

 


ヌワンダと呼んでくれ!と言ってみたり、死せる詩人の会やるよな?!と言葉をかけてみたり、クラスの中心にいる人物。

少しやんちゃな部分もあるんだけれども、素直で柔軟性がある。手拍子だったかな、音に合わせて歩いていたら同調しちゃう場面。違うことをしてくれってキーティング先生に言われ、歩かない選択をするチャーリーはとても賢い人なんだと思いました。そして実践できる強さを持っている人。強く心に残っています。

 

 

 

 


リチャード・キャメロン


なによりもウェルトンの制服に誇りを持っているかたなんだなあって。すごく可愛らしくてチャーリーのことを違う呼び方をした時「ヌワンダだよぉ」って言ってみたり、教科書を破く時も、“これは授業、、”って思ってそうというか、自分に言い聞かせながらというか、体型は小柄なかたじゃないんだけれど、凄く、雰囲気を小さく魅せるのが上手なんだなあって思いました。

 


最後の「おぉ、キャプテン!我がキャプテン!」のキャメロンの選択。あれもキーティング先生に教えてもらった自分らしく生きる、を表してるんだろうなあ。

立つことが全てじゃないし、立ってる人だけがキーティング先生を慕ってるわけでもない。それはキーティング先生もわかってるんじゃないかなあ。私もそこを掴める人になりたいです。

 

個人的にキャメロン役の市川さん、とても魅力的でした。初めてお聞きしたかたでしたが、次も生で演技見てみたいなあ。

 

 

 

ニール・ペリー


ハキハキとした話し方、コロコロ変わる表情。心掴まれる。みんなの中心人物っていうか、いつの間にか人が集まっている感じ。そういう人って現実でも居るし、まさにみんなが味わったことのある“人気者”の集大成、というのが率直な感想です。だけどめちゃくちゃに生きづらそう。ペリー氏と母親からの期待と愛と未来を溢れすぎるほど受け、言い方が悪いかもしれないけれど“期待に応えれてしまう”。

 


人が生きていくなかで1番大切にしたいのは愛だって、私はずっと言っているし、思っています。だけれど愛ってめちゃめちゃに難しい。はじめにも書いたけれど哲学的やし、抽象的やし、他人と自分との愛をすり合わせていくことは中々難題だと思っています。

 


ペリー氏や母親からのニールへの想いは愛だったんじゃないかなぁ、ちょっとずつ親子の間で想いにズレが生じちゃったんじゃないかなぁ。ニール、キーティング先生に出会って自分の“いまを生きる”を貫いたんですよね。凄いなって、思いました。

 


トッドとニールのマグカップのシーン、あたたかくて好きでした。「また来年も同じものが届くさ。」余りにも胸が苦しい台詞を2人は笑いあいながら交わします。トッド、幸せそうなんですよね。ニールもトッドの気持ちが痛いほど分かるからこその行動だったんじゃないかなあ、トッドは毎年お誕生日にニールのことを思い出すだろうな。マグカップを愛せる日が来たらいいな、と願わずにはいられません。

 

 

 

トッド・アンダーソン


ニールとは違ってに“期待に応えられるかわからない”。優秀な兄を持ち、比べられながらもウェルトンの制服を背負っているかた。175センチも身長があるとは思えないほど、小さく見えました。前半ずっとブレザーの裾を両手でギュッと握る姿にトッドというキャラクターが感じられました。

 


心情の変化というものはトッドが1番分かりやすかったのではないかと思います。キーティング先生に、ニールに、クラスメイトに、自分を受け入れてもらえる環境に少しずつ心開いていくトッドを見て、胸が熱くなりました。自己肯定感ってすっごい大切。ここにいて良いんだ、自分が自分でありのままでいいんだ!自分を表現するって怖い。人に批判されたらどうしよう、期待に応えられなかったらどうしよう。って不安は誰しもが感じたことがあると思います。その不安さえも受け入れてくれる人達が周りにいること、知れてよかったねと何度も思いました。

 

 

 


死せる詩人の会では議事録?かな?をつける役をニールから推薦してもらい参加していたトッド。

最後詩を読んでいる時にニールのうちの中との対比、ニールに対して読んでるんじゃないかなあ。ニールに届いてたらいいなあ。

 


新くん、すっごく演技が素敵でした。小さく自信のなかったトッドから、「おぉキャプテン!我がキャプテン!」のトッドへ。うちのセンターは偉大だなあって、ぜひまた演じられてるところを見る機会がありますように。

 

 

 

キーティング

 


経験と実績をユーモアでまとめたようなかた。

どうしても思い出されるのはルーキーズでした(笑)あまりにも世代すぎた(笑)

 


すごく私の好きな価値観の話をされる先生です。

違う視点を持つために机の上に立ってみる。同調を体現するためにみんなで歩いてみる、崩してみる。死せる詩人の会のこと、愛のこと、恋のこと、親子のこと、善と悪とされること。

 


入社一年目の時上司の方から「私たちも日々勉強です」という言葉をかけてもらったことがあります。キャリアは何十年も違い、経験も知識も比べ物にならない、だけれども一年目の右も左も分からない私にその言葉をかけてくださる強さと、優しさに救われたことがあります。

 


キーティングにもそんな雰囲気を感じました。

感じ方は人それぞれだから校長先生のほうに安心感を抱く人がいるのも事実だと思います。逆もしかりキーティング先生のほうがいいと思う人もいる。どちらがあってもいいんじゃないかなあ。そしてどちらもあってもいいんじゃないかなあ。

 


正直社会の中では規律とか、ルールとか、マナーとか、知っていないと生きづらいというのは事実かな、と。レールに乗っけて貰えるところは乗っかったほうが楽じゃん、って感じてしまうところもあります。

 

だからって自分を殺す必要もないな〜、そこのところ自分と見つめ合う時間というのは大切にしなければいけませんね。

 


佐藤隆太さんの演技、特にニールが亡くなり机に突っ伏し泣く場面。圧倒されました、あぁ、本物ってこういうことなのかと。悔しさ、悲しさ、憤り、全部演技を通して私に流れ込んでくる感じ。たまりませんでした。

 

 

 

 

 

 

ペリー氏のこともクリスのことも校長先生のことも沢山感じることはありました。文章書きすぎのため割愛。

 

 

 

今回は新型コロナウイルスが流行し、舞台が初日から大千穐楽まで走りきれるか、みなさんが健康で心置きなくゴール出来ることを願いながら鑑賞させてもらった1公演でした。割と終盤に見させていただいたので、舞台特有のはじめと終わりの対比もぜひ感じてみたかったです。

 


私の宝物にします。